煮物でよく使われる里芋は、その独特の食感が魅力です。ねっとりとしていながら、滑らかな感じがありますね。
美味しいだけでなく、特有のぬめりには栄養がたっぷりなので、旬になればぜひ食卓に載せたい食材です。
里芋は下処理が面倒なものです。
皮を剥いていると手が痒くなったりもするので、アク抜きをしっかりしなければ、と思っている人も多いでしょう。
・里芋のアク抜きは必要かどうか?
・離乳食での使用法
・里芋がなぜ黒く変色するのか
・ぬめりの取り方と必要かどうか
この記事では、これらの点についてお伝えしていきます。
里芋を使う時、アク抜きはどうしたらいい?
イモ類の料理には、一般的にアク抜きが欠かせませんが、里芋に関しては少し違うことを知っていますか?
実は、驚くことに里芋の場合、アク抜きは不要なんです!
その理由は何でしょう?
通常、イモ類のアク抜きは変色を防ぐために行われます。
しかし、里芋は他のイモ類と異なり、変色しにくい性質を持っているため、アク抜きの必要がありません。
「でも、里芋を茹でる下処理を見たことがあるけど…」と思う方もいるかもしれませんね。
実は里芋には他のイモ類にはない特徴があります。それは「ぬめり」が強いことです。
中にはこのぬめりを苦手とする人もいます。そんな時、ぬめりを取るために下茹でをするのです。
しかし、ぬめりを取り過ぎると、ジャガイモのような食感になり、料理によっては味わいが足りなくなることもあります。
ぬめりの取り過ぎには注意しましょう。
また、里芋の葉柄である「ずいき」を使う場合は、アク抜きが必要です。ずいきは、重曹や酢を使ってアク抜きをしますが、芋のほうには必要ありません。
離乳食での里芋のアク抜き方法
先ほどは「里芋のアク抜きは不要」とお話しましたが、離乳食に使用する場合は別の注意が必要です。
赤ちゃんは大人と比べて感覚が敏感で、肌もデリケートです。
そのため、里芋のアクが痒みや刺激を引き起こすことがあります。
最悪の場合、喉の痛みを感じたり、食事を嫌がるようになってしまうこともあるんですね。
離乳食で里芋を使う際のアク抜き方法は以下の通り、茹でこぼすことが必要です。
- 皮を剥く。
- 柔らかくなるまで、約15~20分茹でる。
- 茹で上がったら、ざるにあけて茹で汁を捨てる。
- 表面のぬめりを流水でしっかりと洗い流す。
これら4つのステップを忘れずに行ってください。
里芋は表面のぬめりをとっても芋自体に粘りが強く、飲み込みにくいです。
そのため、離乳食には中期(7~8か月頃)から徐々に導入しましょう。
赤ちゃんが食べやすいように、出汁やミルクで柔らかくし、緩めの状態にすることをお勧めします。
里芋が黒く変色する理由
料理中に里芋が黒く変色することに気づいたことはありますか?見た目が悪くなると、食べるのに少し躊躇してしまいますよね。
実は、里芋が黒く変色するのには主に2つの原因があります。
一つは空気に触れることで起こる酸化現象、もう一つは熱を加えた際の反応です。
これらの変色は、里芋に含まれる「タンニン」というポリフェノール成分が原因で起こります。
タンニンは熱を加えることで化学的に変化し、里芋の色が変わってしまうのです。
皮を剥いた後、空気に触れさせた状態で茹でると、酸化と化学反応が同時に進行し、変色が進むことになります。
ただし、この変色はタンニン成分によるもので、健康への影響はないので安心してください。
里芋の変色を防ぐには、酸化しないように皮を剥いたらすぐに調理するといいでしょう。
アク抜きの際に酢水に浸けるのも効果的です。
里芋の処理方法:ぬめりを残すか残さないか
里芋の処理には、塩もみだけをする方法と、塩もみのあと茹でこぼす方法がありますが、どちらが適しているのでしょうか。
まず、基本的な処理方法は塩もみです。
この方法は、煮っころがしのようにぬめりを残したい時に適しています。
里芋に塩を振り、里芋同士をこすり合わせるようにして揉み込みます。その後、流水でしっかりと塩を洗い流します。
次に、ゆでこぼす方法です。
これは、炊き合わせのように煮汁を濁らせたくない場合や、ぬめりを必要としない料理に向いています。
この場合もまずは軽く塩もみを行い、その後、水と里芋を鍋に入れて沸騰させます。沸騰したら、弱火で2~3分茹でればOKです。
例えば、味噌汁に入れる場合は基本の塩もみをするだけでも十分です。
しかし、豚汁のようにぬめりが不要な場合は、時間があるときは下茹ですると良いでしょう。
まずは塩でぬめりを取り、さらに茹でこぼすことでしっかりとヌメヌメを流すイメージですね。
ただし、アク抜きの意味で必要がなく、とくにぬめりを気にしない場合は、皮を剥いてそのまま調理してもかまいません。
皮付きのままレンジ加熱する場合だったありますよね。
ぬめりを残す場合は、調理の際にふきこぼれやすいので注意してくださいね。
里芋に関するポイントまとめ
今回は、里芋のアク抜きの必要性、離乳食での使用、黒変の原因、そして塩もみをするか茹でこぼすかについて解説しました。
ポイントをまとめると以下のようになります。
・里芋が黒く変色するのは、ポリフェノールの成分変質が原因ですが、健康に害はありません。
・里芋の下処理として、塩もみと茹でこぼす方法があります。料理によって最適な方法を選ぶと良いでしょう。
里芋は他の食材や味付けとの相性がよく、煮物や味噌汁、つぶしてコロッケなど様々な料理に活用できます。
適切な下処理を行って、美味しい料理を作りましょう。