肌色の作り方
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絵を描いていて、顔を塗る段階になって必要な肌色がセットに含まれていないことに気づくことはありませんか?既存の色材を使って、自分で作成する方法はないでしょうか?

一般に販売されている絵の具セットは12色が標準ですが、セットに肌色が含まれているかどうかは、製品のブランドによって異なります。そもそも最近の絵の具セットには、肌色は含まれていません。

記事内で「肌色」という言葉を使っていますが、現在この用語は一般的ではなくなっています。この表現がどのように変わってきたのか、そして現在どのような表現が好まれているのかについても説明しています。

肌色の絵の具を使い切ってしまった、もともとセットに含まれてなかった、という場合でも、基本となる三原色さえあれば、自分で肌色を作り出すことができます。

この記事では、自分で肌色を作るための手順とコツを紹介しています。さらに、絵の具とは異なる色鉛筆を使用する際の色作りについても解説しています。

顔に使う色は「うすだいだい」「ペールオレンジ」

ペールオレンジの花

冒頭で「肌色」について触れましたが、実際には絵の具や色鉛筆にこのように表記されることは少なくなっています。

多様な国籍の人々が暮らす現代社会においては、この表現の使用を避ける動きがあります。肌の色は人によって様々だからです。

「肌色」という用語は徐々に使われなくなり、いわゆる「ベージュ」のようなこの色に対しては、「うすだいだい」や「ペールオレンジ」などの名称が用いられるようになっています。

時期としては2005年頃から、「肌色」という名称の鉛筆や絵の具の販売が減少し、幼稚園などで子供たちが使用する色鉛筆やクレヨンには「うすだいだい」と記載されることが一般的になったようです。

この記事では、日本人向けですし、わかりやすいように「肌色」という用語を引き続き使用しています。この点に関してのご理解をお願いします。

自作で肌色を作る方法

絵の具

ここでは、自分で肌色を作成する際の3つの主要なアプローチをご紹介します。

赤色、黄色、白色を混合

赤 + 黄 + 白 = 肌色
まず、赤色と黄色を組み合わせてオレンジ色の基調を作り出します。その後、白色を少しずつ加えて、目指す肌色に近づけます。

赤色、黄色、青色で調整

赤 + 黄 + 青 = 肌色
この方法も、赤と黄を使ってオレンジ色を基盤に作り、そこに青色を加えて調整します。青を加えることで、より深みのある肌色を作り出すことができます。

オレンジ色に白色を加える

オレンジ + 白 = 肌色
既にオレンジ色の絵の具が手元にある場合は、それに白色を混ぜるだけで簡単に肌色を作成できます。これは最もシンプルな方法の一つです。

思い通りの肌色を得るには

絵の具とキャンバス

「肌色」と一言で言っても、求める色合いは人それぞれ異なります。ここでは、理想の肌色を作るためのコツをご紹介します。

暗い肌色を望む場合は青色を選択

もし暗い肌色を目指すなら、黒色よりも青色を使用することをお勧めします。黒を使うと、意図した肌色よりも「こげ茶色」のようになりがちで、自然な肌色にはなりにくいです。

透明感を出したいなら水を活用

白色を加えて肌色を明るくするのではなく、水彩の場合は水を使って色を薄めることで、透明感のある肌色を表現することができます。

透明水彩の場合は特に、白色を使用せずに水で濃淡をつけることが基本となります。

色鉛筆を使った肌色の描き方

色鉛筆

色鉛筆を用いても、美しい肌色を作り出すことが可能です。

始めに、薄く黄色を塗り広げた後、そこに赤色を軽く重ねていきます。色鉛筆を使用する際は、白や青を加えなくても肌色として成立します。

顔の細部に影をつけたい場合は、青色をさらに重ねて塗ることができます。

より高度な技法として、オレンジ、紫、ピンクを用いて人の顔に自然な赤みを加える方法もあります。

使用する色の割合や塗り方は、描かれる絵のテーマや個人の好みに左右されますが、初心者には基本的に黄色と赤色の組み合わせから始めることをおすすめします。

市販のカラーをそのまま使いたいとき

クレヨン

最後に、市販の画材で「肌色」に近いものをご紹介しておきましょう。

ペンテルの「ペールオレンジ」は、かつて「はだいろ」と呼ばれ親しまれてきた、多くの人々にとって懐かしい色です。この色は特に子供の頃に多用された、親しみやすい定番色の一つです。

サクラクレパスから提供される「うすだいだい」も、肌色を表現するのに適した色として知られており、子供たちにとって扱いやすい色彩として人気です。

透明水彩画においては、「ホルベイン」の製品が推奨されます。「ジョーンブリヤン」と名付けられたこの色は、肌色表現に優れていると評価されており、特にNo.1は白い肌の表現に、No.2はやや黄みがかった肌の表現に適しています。

この「ジョーンブリヤン」色は、ターナーやクサカベといった他のブランドからも入手可能です。各メーカーによって微妙な色の差があるため、好みや必要に合わせて選ぶことが推奨されます。

新しい画材として人気なのが、ぺんてるのアートブラッシュです。カートリッジ式の筆ペンタイプで、水を使ったり他の色とグラデーションを楽しんだりすることができます。

まとめ

この記事では、「うすだいだい」「ペールオレンジ」あるいは一般的に「肌色」と称される色の作り方、その技術や調整のコツについてお伝えしました。

具体的には、肌色を自分で作るための三つの基本方法を紹介しました。

・赤・黄・白を組み合わせた方法、
・赤・黄・青を混ぜ合わせる手法、
・既製のオレンジ色に白を加える方法

また、肌色を作る際に暗い色合いを求めるならば青色を使用し、透明感を出したい場合は絵の具を水で薄めるなどのコツ、色鉛筆を使う場合についても説明しました。

肌色はひとりひとり違うので、多彩な色作りを知っておくことで、生き生きとした人物の絵を描くことができるでしょう。

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