豚角煮が意図せず硬くなってしまうのは、調味料を加えるタイミングが早過ぎるからです。要するに、肉を充分に下茹でしていないわけですね。
急がずに、丁寧に時間を掛けて料理することが推奨されます。
肉が煮汁から出ないようにして空気から守ることも、非常に重要です。肉が空気に触れると、その質感は硬くパサついたものに変わってしまうからです。
この記事では次のことをお伝えしています。
・豚角煮を柔らかく、口の中で溶けるように仕上げるコツ
・角煮が硬くなったら?美味しくアレンジする方法
ぜひ最後まで読んで、美味しい豚角煮を楽しんでください。
豚角煮が固くなってしまうのはなぜ?
豚角煮が思いのほか硬くなる要因は複数存在します。ここで、それぞれの要因を詳しく見ていきましょう。
十分な下茹でがされていない
十分な時間をかけずに下茹でを行うと、肉は硬さを保持した状態で火が通ってしまいます。
以下で触れるように、調味料を加える前に不要な脂を除去し、適切に下茹でを行うことで肉を柔らかくすることが可能です。
味付けのタイミングが早い
肉を煮ている汁に調味料を加えると、それ以上柔らかくなることはありません。
特に醤油などの塩分が含まれた状態で長時間煮込むと、肉は徐々に硬くなっていってしまいます。
肉を空気にさらしている
下茹で後や調味料を加えた後は、肉が空気に触れないよう注意しましょう。肉が空気にさらされると、表面が硬化し乾燥する原因になります。
下茹での際には、水分が減ってきたら追加すること、調味料を加えた後は落し蓋をして、水分の蒸発を防ぐことが大切です。
調味料としてみりんを使用している
みりんは、肉や肉じゃがなどの煮物が崩れるのを防ぐ効果があります。
言い換えれば、みりんは具材が過度に柔らかくなるのを抑える役割を果たしています。
トロトロ豚角煮の作り方
適切な肉の選択
豚角煮には、脂肪と肉の層が明確に3層に分かれた高品質な豚バラ肉を選びましょう。
茹でる前に肉の表面を焼く
下茹でする前に、肉の全体に軽く焦げ目がつく程度までフライパンで焼きます。
この際、少量の片栗粉や小麦粉をまぶして焼くと、肉の脂が流出しにくくなります。高品質な豚バラ肉を使用する場合は、粉をまぶさなくても問題ありません。
下茹での時間をしっかりと取る
下茹でを丁寧に行うことで、角煮の味と柔らかさに差が出ます。
通常の鍋を使用する場合は、水からスタートして約1時間、弱火でゆっくりと煮ます。途中で水が減ったら追加してください。肉は空気に触れると硬くなります。
圧力鍋を使う場合は、圧をかけた後約20分煮ます。この際、ネギの青い部分や生姜で臭みを取り除くことができるのはよく知られています。
実は、米のとぎ汁を使っても、臭みの除去ができるんですよ。米のとぎ汁には脂肪を分解して肉を柔らかくする酵素も含まれています。
カットするのは肉を冷ましてから
ブロック状の肉を下茹でした後にカットするときは、一度冷ましてから。熱い状態で切ると、肉から脂が出てしまい、ジューシーさや旨味がなくなってしまいます。
煮込む際に落とし蓋を使用
調味料を加えて煮込む際、通常の鍋を使用する場合。下茹でと同じように水から始め、落とし蓋をして水蒸気を逃がさないようにします。ここでは、弱火で2~3時間煮込みます。沸騰させると肉が硬くなってしまうので注意が必要です。
圧力鍋を使用する場合は、約15分間圧をかけた後、汁気が少なくなるまで弱火で煮続けます。この際も、肉が汁の外に出ないよう注意してください。
蜂蜜を入れる
蜂蜜は肉を柔らかくする特性を持っています。光沢も出るため、みりんや砂糖の分量を蜂蜜に変えてみるのもおすすめです。
固くなった豚角煮をおいしく活用する方法
もし豚の角煮が予想よりも固く仕上がってしまった場合、そのお肉を美味しく再利用するための提案をいくつか紹介します。
・炊き込みご飯の具材として、小さく刻んで活用します。
・細切りにすれば、混ぜそばや冷やし中華のトッピングにぴったり。
・細かくほぐして、卵焼きやオムレツの中身として取り入れても。
細かくしたり、薄くスライスしたりして料理に加えることで、硬さが目立たなくなり、様々な味わいを楽しむことができます。
また、肉が固くなったとしても煮汁は豚の旨味を含んで美味しくできているはずです。甘辛い醤油味のタレとして大いに活用しましょう。
チャーハンや野菜炒め、煮玉子などにぴったりですし、白い脂が固まったらラードとして使うのもおすすめです。
ぜひ試してみてください。
まとめ
角煮を柔らかくするためには、適切な下茹でが非常に重要です。
かなりな時間がかかりますが、弱火でじっくりと煮込むことが、理想的な仕上がりに繋がります。
美味しい豚角煮を作るには、注意すべきポイントがいくつかあります。味付けのタイミングや肉を空気にさらさないことなど、ちょっとしたコツを守ることです。
もし固くなってしまっても美味しく食べる手はありますので、まずは気楽にチャレンジしてみませんか。