多くの人が塩素系や酸素系の漂白剤に慣れ親しんでいますが、この記事では還元系漂白剤についてお伝えします。
一般に売られている商品としては花王のハイドロハイターになります。
実はとても便利なもので、「もらいサビ」などの落ちにくい汚れや、いわゆる塩素焼けで黄変してしまった衣類などを「還元」つまり元に戻すことができるんです。
ハイドロハイターは粉末状です。その具体的な使用方法については理解していない方も多いかもしれませんね。
この記事では、この漂白剤がどのような原理でシミを除去し、どのタイプの汚れやシミに効果的なのか、また、その効果を最大限に引き出すために知っておくべき正しい使い方についてまとめました。
まず、ハイドロハイターの特性と使える衣類の種類について、次にどのような汚れやシミに効くのか?を説明し、効率的で正しい使用方法をお伝えします。
ハイドロハイターで取り除けなかった場合の対処法もありますので、ぜひ参考にしてくださいね。
ハイドロハイターってどんなもの?何に使える?
ハイドロハイター(還元系漂白剤)は、色素を脱色させるために酸素を取り除く「還元作用」を利用した漂白剤です。
これは、色素に酸素を結合させて分解する酸素系漂白剤とは対照的なメカニズムです。
還元系漂白剤の特徴として、色そのものを変えてしまいますので、色付きの布地や柄物には適していません。
水洗い可能な衣類であれば、綿、麻、合成繊維、ウール、シルクを含むすべての白い衣類に使用することができます。
しかし、金属製のボタンやファスナーなどの付属品がついた衣類に使用すると、それらが損傷する恐れがあります。
金属の部品が含まれる衣類には使わないほうがいいでしょう。
ハイドロハイターが落とせる汚れやシミの種類
ハイドロハイターは、一般的な洗剤などで落とせなかった汚れやシミを落とせる場合があります。
今まであきらめていた汚れに効くかもしれません。
サビによる汚れ
例えば、錆びた金属との接触によって黄色く変色した衣服などは、ハイドロハイターの還元力を用いて元の白さに戻すことが可能です。
洗面所や流しのもらいサビ
お風呂場や洗面所に放置されたヘアピンから発生するサビ汚れってありますよね。
私はキッチンのシンクに缶詰のサビを付けてしまったことがあります。
これらの「もらいサビ」と言われる汚れに、ハイドロハイターは効果的です。
トイレのタンクの汚れ
トイレタンクの水を受ける部分が黒ずんだり黄ばんだりすることがあります。
これら鉄分などのミネラル成分による汚れにもハイドロハイターが有効です。
お湯をかけた後にハイドロハイターを振りかけ、少し時間を置くと漂白効果が得られます。
塩素系漂白剤による樹脂加工衣類の黄ばみ
型崩れ防止の樹脂加工がされている白物衣類は、塩素系漂白剤によって黄色く変色することがあります。
襟や袖口などの汚れを取りたくてやってしまいがちなんですよね。
こういった塩素焼けは、ハイドロハイターの還元作用によって元の白さを取り戻すことができます。
ハイドロハイターの口コミにも、子どもの制服やお気に入りのTシャツの黄ばみが消えたという声が多くありました。
色柄物との洗濯による色移り
白いシャツを色物と一緒に洗濯してしまい、色が移ってしまったということはありませんか。
最近はひどく色が出る衣類も少なくなってきましたが、たまに安い靴下や色の濃いタオルで色が移ることがあります。
こうした色移りに対しても、ハイドロハイターを使えば白さを回復させることができます。
赤土による泥汚れ
赤土の泥は酸化鉄による汚れであり、還元型漂白剤のハイドロハイターを使用すると白くなります。
靴下や作業着など、通常の洗剤では落ちにくい強固な泥汚れにも、ハイドロハイターは有効です。
ハイドロハイターを正しく使って漂白しよう
ハイドロハイターを使う時は、溶かした液剤が飛び散るといけないので、エプロンの着用をお勧めします。
また、手の保護のためにも、かならずゴム製の手袋を着用してください。
ハイドロハイターは基本的には温水を使って使用します。
特に冬場など水が冷めやすい時期は、やや高温の水を用意することが望ましいですが、火傷には十分注意してくださいね。
衣類の漂白におけるハイドロハイターの使い方
それでは衣類を漂白するやり方について、手洗いと洗濯機洗いの場合を説明します。
手作業での漂白手順
- たらいなどに約40℃の温水を規定量用意します。
- 規定量のハイドロハイターをその中に溶かします。
- 衣類を漬けて約30分間放置します。
- 汚れが取れたことを確認した後、充分に水ですすぎます。
洗濯機での使用方法
- 40~50℃のお湯を洗濯機に溜めます。
- 規定量のハイドロハイターを入れ、白物衣類を入れます。
- 洗濯機のフタを閉めて約1時間放置します。
- 排水してすすぎを行い、通常通り洗剤を使用して洗濯します。
衣類以外の物に使う場合の手順
風呂場や洗面所のもらいサビを除去するときには、以下の方法を試してみてください。
雑巾を使用する方法
- 洗面器などに雑巾を入れ、そこに熱めの湯を注ぎます。
- サビや汚れがある箇所にハイドロハイターを振りかけます。
- その部分にお湯にひたした雑巾を置いて数時間そのままにします。
- 水で流してよく拭き取ります。
ペースト状にして塗布する方法
- ハイドロハイターを少量のお湯でペースト状に溶かします。
- サビがある部分に塗ってから数時間そのままにします。
- 水で流してよく拭き取ります。
ハイドロハイターで取れない汚れへの対応策
ハイドロハイター使用後でも黄ばみが解消されなかった場合は、次のような対処をしてみてください。
繰り返し試してみる
一度の使用で完全に白くならなかった場合、何回か試してみるといいかもしれません。
2日か3日の間隔をあけて、塩素系漂白剤と交互に使用する手法も試してみてください。
魔法水を活用する
クリーニングのプロが考案したと話題になった「魔法水」を試すのも一つの方法です。
食べ物のシミや血液のシミなど、どの種類のシミか判別がつかないような場合にも効果的です。
魔法水の作り方
・液体酸素系漂白剤:小さじ3
・重曹:小さじ1
・食器用中性洗剤:3滴
これらを小さな容器に入れ、歯ブラシなどを使って5回程度軽くかき混ぜたら完成です。
混ぜ過ぎは避けてください。量を増やす場合も、この割合を守りましょう。
魔法水を使ったシミ取り手順
- 汚れている部分をタオルの上に置きます。
- 魔法水を含ませた歯ブラシか別のタオルで、汚れ部分をたたきます。
- 水でよくすすぎ、洗濯機を使って洗います。
つけ置きや魔法水の作り置きはしないようにしてください。
花王ハイドロハイター
塩素系や酸素系漂白剤で取れなかったシミや汚れに対して、還元系漂白剤(ハイドロハイター)が使えます。
この特殊な漂白剤は市場に出回る種類はまだ多くないものの、全ての白物に利用可能であり、変色を元に戻すなどの多くの利点があります。
どうして黄ばんでしまったかわからない、うっかりもらいサビを作ってしまった、今まで何をやってもダメだった、そんなときに助けてくれるアイテムです。
製品の容器に記載されている使用上の注意点をしっかりと守って、ぜひ試してみてくださいね。