簡単に作れて、色鮮やかな見た目と豊かな香りが楽しめる鮭の炊き込みご飯は、家族が大好きな一品です。しかし、時々、炊き上がったご飯から魚特有の匂いがすることがあり、これが気になることもあります。その匂いの原因と、それを抑える対策について説明します。
料理を始める前には、臭みを取るために調理酒や牛乳を使う方法が有効です。炊きあがりには柑橘類の果汁を加えることで、嫌な生臭さを減らして美味しく食べることができるでしょう。
この記事では、鮭の炊き込みご飯がなぜ匂うのか、新鮮な鮭を使うのがおすすめな理由がわかります。そして保存方法やリメイクレシピについてもお話しします。
鮭の炊き込みご飯の生臭さの原因とは?
鮭の炊き込みご飯が炊きあがり、フタを開けた瞬間に魚の臭いが漂うことがあります。楽しみにしていたのに…
魚が発する独特のニオイの主な原因は、トリメチルアミンという成分にあります。
これは魚の風味を良くする要素でもありますが、時間が経過すると増加していき、アンモニアのような匂いを発することがあります。そのため、できるだけ新鮮な魚を使うことがおすすめです。
トリメチルアミンは水溶性で、調理前に水で洗い流すことで臭みを軽減できます。手早く水洗いをして、その後ペーパータオルで水分を拭き取るのが良いでしょう。
それでもまだ匂いが気になる場合は、お酒を振りかけたり、牛乳に浸けてみると効果的です。適切な下処理が肝心なので、次の章で説明します。
鮭の炊き込みご飯の生臭さを抑えるコツ
鮭の炊き込みご飯を美味しく仕上げるための秘訣は、新鮮な鮭の選択と丁寧な下処理にあります。特に、鮭を十分に洗うことが大切です。
以下は、さらに効果的な方法です。
お酒や牛乳を活用する
生鮭を使う時、まずお酒をかけて臭みを減らします。これだけでも臭いは軽減されますが、それでも気になる場合は、鮭を牛乳に10分程度浸けると効果的です。
この下処理は手間がかかりますが、炊き込みご飯を作ってから臭みを感じるよりも、事前に対応する方が手軽です。
鮭を焼いてから使う
鮭を先に焼いてから炊き込みご飯に加える方法もおすすめです。塩を振って少し置いた後、グリルで焼くと、生鮭をそのまま使うよりも臭みが少なくなり、香ばしさもアップします。
生鮭のみならず、甘塩鮭や冷凍の鮭でも同様に美味しく仕上がります。特に冷凍鮭は焼くことで、味わいがより豊かになります。
柑橘系の果汁を利用する
炊き込みご飯が完成した後に生臭さが気になった場合、柑橘系の果汁をかけると良いでしょう。
特にすだちやゆずの果汁がお勧めです。これらの果汁を使うと、爽やかな香りと風味が加わり、炊き込みご飯の全体の味が引き立ちます。
小ネギや青じそなどの薬味を使うのもおすすめです。
鮭の炊き込みご飯の美味しい作り方
鮭の炊き込みご飯をさらに美味しく仕上げるコツとして、魚の臭みを抑えることと、しめじや昆布などの具材を加えることがポイントです。また、ご飯の炊き方も重要です。
しめじと昆布は、それぞれ旨味成分が豊富で、これらをご飯と一緒に炊き込むことで、全体の風味が豊かになります。昆布にはグルタミン酸が、しめじにはグアニル酸が含まれており、鮭に含まれるイノシン酸と組み合わさることで、深みのある味わいが生まれます。
しめじは冷凍するとグアニル酸の含有量が増え、より一層の美味しさが引き出されます。干し椎茸を利用するのもいいでしょう。
米を炊く際は、米の下準備がカギとなります。米が急に塩分濃度の高い液体に浸されると、水分の吸収が不均等になり、米の中心に硬い部分が残ってしまうことがあります。
そのため、最初に米を水だけで十分に浸し、その後具材や醤油などの調味料を加えて炊きます。この方法により、米は均一に水分を吸収し、ふっくらとした仕上がりになります。
鮭の炊き込みご飯の冷凍保存法
たくさん作った鮭の炊き込みご飯が余ることもあるでしょう。冷蔵庫での保存期間はおおよそ3日が目安です。
余ったご飯は冷凍保存すると便利です。鮭の炊き込みご飯は冷凍することにより、約2週間の保存が可能になります。もし、こんにゃくを使っている場合は、冷凍に適さないため注意が必要です。
冷凍する際は、一食分ずつに分けてラップで包み、更に密封可能な袋に入れて冷凍庫に保存します。意外に思われるかもしれませんが、炊き立ての温かい状態でラップするのがコツです。これによりラップ内に水分が保たれ、解凍時のご飯の乾燥を防ぐことができます。
ただし、温かいまま冷凍庫に入れると他の食品に影響を与える可能性があるため、ラップで包んだご飯を冷ますのを待ってから冷凍庫に入れましょう。ラップする際には、なるべく平らな状態にすると、冷凍庫内での凍結が早まります。
解凍する時は、冷蔵庫でゆっくりと解凍するのが最適です。食べる直前に電子レンジで温めれば、美味しい炊き込みご飯を再び楽しむことができます。
鮭の炊き込みご飯のリメイクレシピ:生臭さを消して味変
生鮭で作られた炊き込みご飯が生臭くなってしまった時、または味の変更を楽しみたい時に役立つアレンジレシピをご紹介します。
紅ショウガを活用した鮭チャーハン
生臭くなった炊き込みご飯や翌日のご飯も、新しい味わいで楽しむことができます。
必要な材料
・鮭の炊き込みご飯:1杯
・紅ショウガ:大さじ1
・小ねぎ:適量
・バター:10g
・醤油:適量
作り方
- 紅ショウガと小ねぎを細かく刻みます。
- フライパンでバターを溶かし、炊き込みご飯を入れます。
- 紅ショウガと小ねぎを加えて炒め合わせます。
- 味を見て醤油で味を調えます。
紅ショウガの量はお好みで調整してください。また、炊き込みご飯の味付けによって、醤油の量も加減してください。刻んだ大葉を加えるのもおすすめです。紅ショウガの爽やかな風味で、鮭の生臭さを和らげます。
夏にぴったり!鮭のお茶漬け
簡単で、夏バテの時でも手軽に作れる一品です。
必要な材料
・生臭くなった炊き込みご飯:1杯
・お湯またはお茶:適量
・刻みネギ:少々
・梅干し:1個
作り方
ご飯の上に梅干しと刻みネギを乗せ、お湯やお茶をかけるだけです。
梅干しが苦手な方は、レモン汁で代用するのも良いでしょう。爽やかで食べやすく、鮭の生臭さを軽減できます。すだちやゆずの果汁、わさびや柚子胡椒を使った様々な味付けもお楽しみください。
炊き込みご飯には既に具材が含まれており、穏やかな味わいが二日酔いや〆のご飯にも最適です。
まとめ
鮭の炊き込みご飯を作る時、ちょっとした工夫で生臭さを防ぎつつ、その美味しさを最大限に引き出すことができます。まず、鮮度の高い魚を選ぶことが肝心です。新鮮な鮭を使用することで、炊き込みご飯の美味しさが格段に向上します。
また、炊飯器に生鮭をそのまま入れるのではなく、あらかじめ焼いてから使うと、生臭さが抑えられ香ばしさがプラスされます。
炊き込みご飯に使用する具材の選び方も重要です。鮭の風味を最大限に活かすような出汁や具材を選びましょう。
さらに、作り過ぎた炊き込みご飯は、小分けにして冷凍保存すると便利です。万が一、炊き込みご飯が生臭くなってしまった場合でも、うまくリメイクすることで、まだ美味しく食べることができます。だから、もし失敗しても諦めずにチャレンジしてくださいね。