ネジを締める時、どちらに回すべきか迷った経験はありませんか?
ネジの回し方を間違えると、ネジ山がなめてしまうこともありますよね。
ネジ山をダメにする前に、ネジをどの方向に回すべきかをしっかり覚えておくことが大切です。
多くのネジは右に回す(時計回り)と締まり、左に回す(反時計回り)と緩みます。
この記事では、ネジを締める時の方向を覚えるコツや、右に回すと締まり、左に回すと緩む理由についても解説します。
また、硬いネジを緩める技や、ネジ山がつぶれた(なめた)場合の処置方法についても何通りか紹介しています。
ネジを回す方向を忘れがちな方、固いネジに苦戦している方は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
ネジ締めの方向を記憶するコツ!なぜ右に回すと締まるのか
「大多数のネジは右に回す(時計回り)と締まり、左に回す(反時計回り)と緩む」というのはわかっていても、実際に作業を始めるとつい忘れがちですよね。
ネジを締める方向が覚えやすくなるように、なぜ右回りで締まるのか、その背景をご紹介します。
実は、右に回すことでネジが締まるのは、世界には右利きの人が多いという事実に基づいています。
右利きの人は、自然と右回り(時計回り)で力を加えやすいのです。
これは意外とシンプルな理由ですよね。
実際、ネジだけでなく、多くの容器の蓋や蛇口なども右回りで締まる設計になっています。
世界の約9割の人口が右利きであるため、右回りに力を加えることが一般的です。
右利きの人は、左手でビンの蓋を右に回してみると、右手で回すときよりも力を入れにくいと感じるでしょう。
ネジを締める方向を忘れたときは、このような背景を思い出してみると良いでしょう。
さらに、他にも覚えやすい方法を紹介します。
- 時計回りに回すと締まる
- 「の」の字を書く方向で締まる
- 水道の蛇口のように、左に回すと緩んで水が出る、右に回すと締まって水が止まる
どれが一番覚えやすいでしょうか?
個人的には、「時計回りに回すと締まる」と覚えるのがシンプルでいいですね。
蛇口の動きも手が覚えているのでいいですね。
多くの物が右回りで締まることを考慮して、他の物をイメージするのも覚え方の一つです。ぜひ試してみてください。
右締め左緩めの原則:基本と例外
単純な覚え方がわかったところで、もう少し考えてみましょう。
ネジを間違った方向に回してしまうと、ネジが過度に固まったり、ネジ山がなめて破損することもあります。
ネジを締めるか緩めるかの方向は、作業前に必ず確認することが大切です。
一般的に、ネジは右回り(時計回り)で締め、左回り(反時計回り)で緩めることが多いです。
大多数のネジがこのルールに従っていますが、例外も存在します。たとえば、扇風機のネジは左回りに締めるタイプです。
扇風機の羽根は通常、右回りで回転します。もし羽根を固定するネジも右回りで締めると、運転中にネジが緩む恐れがあります。
ネジが緩んで羽根が外れると危険です。そうならないように、扇風機の羽根を固定するネジは左回りに設計されています。
考えただけでも怖いですよね、扇風機の羽根が飛び出してくるなんて。
実際に自宅の扇風機をチェックしてみたところ、確かにネジは左回りで締まっていました。
この仕組みは扇風機に限らず、自転車のペダルのネジにも同様の理由で適用されています。
こうした設計は、実によく考えられていますね。
固いネジの回し方のコツと対策法
ネジを外したいけど固くてなかなか回らない時、どうしても無理をしてしまいがちです。
また、ドライバーのサイズが合っていなかったりネジが錆びていたりすると、ネジ山がなめてドライバーがすべってしまいますね。
そんな時の対処法とコツをいくつか紹介します。
ドライバーを使用する際のポイント
ドライバーを適切に使えば、力が少なくても案外、簡単に回すことができますよ。
ちょうどいいサイズのドライバーを選ぶ
ネジをスムーズに回すためには、まず適切なサイズのドライバーを選ぶことが肝心です。
特に、プラスのネジにはサイズが様々なので、ネジ穴に合ったドライバーを使用する必要があります。
家庭の工具箱にもいろいろなサイズのドライバーを用意しておくといいですね。
ひととおりサイズが揃ったセットがあると便利ですよ。
ドライバーの軸を垂直に立てて安定させる
ネジを効率よく回すには、ドライバーの使い方にも注意が必要です。
ドライバーの軸をブレさせずに、しっかりと固定してから回すことが大切です。
・ドライバーのグリップをしっかりと握る
・ドライバーの軸を手で支え、軸がブレないようにする
・ネジに対してドライバーを垂直に当てる
・下方向に力を加えつつ、押し込むように回す
これらの点を意識することで、固いネジもスムーズに回しやすくなります。
力を入れるのではなく、適切な方向に力を加えることがポイントです。
潤滑剤スプレーの活用
ドライバーのコツを試してもうまくいかない場合は、潤滑剤スプレーを使ってすべりをよくしましょう。
ネジの接合部にスプレーを吹きかけ、少し時間を置いてから再度ドライバーで回してみてください。
潤滑剤スプレーは、錆びついたネジを緩めたいときにも効果的です。
ホームセンターなどで手軽に購入できるため、一家に一本あると便利ですよ。
ネジが潰れた(なめた)ときの対処法
ネジの溝が潰れてしまってドライバーがひっかからなくなると、いざ外そうとしたときに困ってしまいますよね。
そんなときの対処法です。
輪ゴムを使用してネジを回す方法
ネジ山の破損でドライバーがうまく掛からない時は、新たなグリップを作るために輪ゴムを使う方法が効果的です。
損傷したネジ穴に輪ゴムを置き、それを挟むようにしてドライバーを差し込んで回してみてください。
輪ゴムが摩擦を生み出し、ドライバーとネジの間のすべりを防ぐ役割を果たします。通常の輪ゴムで十分ですので、手軽に試せます。
ネジに熱を加える方法
ネジに当て布をして、アイロンで30秒ほど温めた後、冷めたらドライバーで回してみてください。
金属製のネジは熱を加えると膨張し、冷めると縮む特性があり、この特性を利用することでネジの穴を広げます。
これにより、ネジが緩む可能性があります。
アイロンがない場合は、ガストーチで温める方法もありますが、ネジの近くに配線やプラスチックなど熱に弱い素材がある場合は注意が必要です。
瞬間接着剤を使用する方法
瞬間接着剤を使ってドライバーとネジを一時的に固定し、それを利用してネジを外す方法もあります。
接着剤の強力な粘着力を利用することで、ネジを回すことが可能になります。
ただし、この方法はネジやドライバーの再利用が難しくなるため、再使用を予定していないネジに限定して行うことが望ましいです。
ペンチを使ってネジを回す
特に大きめのネジの場合は、ペンチを使ってネジ頭を挟んで回す方法が有効です。
ただし、無理に力を入れすぎるとネジ山をさらに損傷させる可能性があるので注意が必要です。
専用ツールの使用
自宅にある道具で対処が難しい場合は、専用のツールを試してみるのも一つの手です。
例えば、「ネジザウルス」というペンチや「ネジすべり止め液」のような製品があり、これらはネジの回しやすさを高めるために設計されています。
ネジすべり止め液はネジとドライバー間の摩擦力を高める液体で、ドライバーが滑りにくくなります。
また、「折れたビス抜き」という専用の道具もあり、頭が壊れたり、錆びてしまったネジを抜くのに役立ちます。
ドライバーのグリップ上部を叩いて衝撃を与え、ネジを緩める方法もあります。
この方法を行う際は、打撃用の貫通ドライバー(または手動インパクトドライバー)を使用します。通常のドライバーでこの方法を行うと、ドライバー自体が破損する恐れがあります。
とはいえ、専用ツールを持っているような方は、ネジを回す方向で悩んだりはしないでしょうね。
さいごに
ネジの基本的な回し方を忘れた時は、「右利きの人が多く、右に回す力が強いことから、右回りで締まる」という事実や、「時計回りに回すと締まる」という覚え方を思い出してください。
・扇風機のネジなど、左回りで締まる例外もある。
・右回りで締まる理由は、多くの人が右利きで、右回りの方が力を入れやすいため。
・覚え方の一つとして、「の」の字の方向に回すと締まるというものがある。
・ネジを適切に回すためには、ドライバーの使い方が重要。
・ネジの溝がなめたときは、身近なものや専用のものを使った対処法がある。
ネジが上手く回らない時には、様々なコツや対処法があるので、できそうなことから試してみてくださいね。