アウトドアでよく使われる着火剤。不要になったときにどう処分すればいいのか、迷うことがあります。
特に、火が付きやすい性質を持つため、普通のごみとして出しても問題ないのかわからない方も多いでしょう。
重要なのは、着火剤を捨てる際、地域によって異なるルールがあるため、自分の住んでいる地域の規則を守ることです。
普通のごみとして処理できることもありますが、特別な処理が必要なケースや地域によっては専門の業者に依頼しなければならないかもしれません。
安全を考えると、燃えにくくするなどの処理をしてから捨てることが一般的です。もし引火することが心配なら、処分する前に適切な処理を行うと安心ですね。
この記事では、着火剤の種類による適切な処分方法や、自然発火のリスク、正確な保管方法についても詳しく説明しています。
もし使わなくなった着火剤があれば、このガイドを参考にしながら、保管か処分かを検討してみてください。
着火剤の正しい廃棄方法とそのポイント
ここでは、着火剤をどのように捨てればよいのかを分かりやすく解説します。
地域ごとに異なる着火剤の廃棄方法
最初に触れたように、着火剤の廃棄方法は、地域によって異なります。
まず重要なのは、自分が住む地域の規則を把握することです。これが着火剤の正しい廃棄のスタートラインになります。
自治体のウェブサイトで確認するのが手軽ですが、「着火剤」ではなく「固形燃料」と表記されていることもあります。どの分類に該当するかわからない場合は、直接自治体に問い合わせるのが最も確実です。
地域によっては通常のごみとして捨てることが許されている場合もあれば、専門業者を通じて処分する必要がある場合もあります。
無駄な手間を避けるためにも、事前にしっかりとルールを確認しましょう。
それでも直接捨てることに不安を感じる方のために、安全な廃棄方法についても以下に詳しく説明していきます。
ジェル状着火剤の廃棄方法
ジェルタイプの着火剤は、固形タイプに比べて燃えやすく、扱いに注意が必要です。
ジェル状の着火剤を安全に廃棄するポイントは、希釈して燃えにくくすることです。
その手順は以下のとおりです。
- 開封してジェルをバケツなどに移す
- 水を加えてジェルを薄める
- 古新聞や布にジェルを吸わせる
- ビニール袋に入れる
ごみの出し方は自治体の規則に従ってください。
注意点としては、火気の近くで行わないようにすること、 開封後は早めに希釈することが望ましいです。
ジェルをそのまま廃棄すると、自然発火のリスクは低いものの、露出したジェルが火元に触れると引火する恐れがあります。
水で希釈することによって、ジェルの引火点を下げ、ビニール袋で揮発する成分を封じ込めます。
最終的には、自治体のガイドラインに従って廃棄しましょう。
固形着火剤の廃棄方法
固形タイプの着火剤は、ジェルタイプに比べて揮発性が低く、比較的安全です。しかし、劣化により引火性の成分が表面に現れる場合もあります。
固形着火剤を廃棄する際の方法は、以下の通りです。
- 火気がないことを確認後、濡れた新聞紙や古布で着火剤を包む
- その後、ビニール袋に入れて処分する
この方法であれば、比較的安全に廃棄できます。
着火剤の自然発火リスクと引火点について
次に、着火剤が自然に燃えるかどうか、つまり自然発火と引火に関する情報を詳しく説明します。
まず、自然発火と引火は異なる概念です。どちらも「燃える」という点では同じですが、自然発火は外部の火源がなくても発火する現象であり、引火は外部の火源によって引き起こされます。
着火剤は引火する性質を持ちますが、自然発火はほとんど起こりません。
その理由は、引火点と発火点の違いにあります。これらは、引火する温度と自然発火する温度の違いを指します。
例えば、着火剤に使われるメチルアルコールの引火点と発火点は以下の通りです。
引火点:約11℃
発火点:約470℃
これにより、着火剤は環境温度が470℃に達しない限り自然発火しないことが分かります。
日常生活でこのような高温に遭遇することはほとんどないため、普通に廃棄しても自然発火するリスクは低いと言えます。
しかし、引火点が11℃と比較的低いため、火元が近い場合は容易に引火する可能性があることを覚えておく必要があります。
したがって、着火剤を扱う際は火源から離して保管し、廃棄する際も自治体の規則に従うことが重要です。これらの点を考慮すれば、着火剤が自然発火することはほぼないということになります。
物置での着火剤保管は適切?適正な保管方法を解説
多くの方が、余った着火剤を物置に保管していることがあるかと思います。家の中より外の方が何となく安心感があるからですね。
物置で保管するのは適切ですが、いくつか気を付けるべき点があります。
着火剤を保管する際の注意点
着火剤を保管する際のポイントは以下の通りです。保管しようと思っている物置が条件にあっているかを確認してください。
- 火気がないこと
- 温度が急激に上がらないこと
- 風通しが良いこと
さらに、着火剤は、劣化しにくく衝撃に耐える、密閉可能な容器で保管することが理想です。
容器で保管する理由は、外装が破損し、中身が露出するのを防ぐためです。ジェルタイプ、固形タイプ問わず、衝撃で容器が破れると、成分が空気に触れて揮発し、火源に近づくと引火する危険があります。
したがって、着火剤は頑丈な容器に入れて、傷みにくく保管しましょう。紙箱の使用は避けてください。
使いかけの着火剤の保管
ここまでが新品の着火剤の保管方法ですが、使いかけの着火剤についても触れておきます。
ジェルタイプ、固形タイプ共に、時間が経つと徐々に燃焼効率が下がります。頻繁に使用するなら問題ありませんが、数年に一度しか使わない場合、次に使用する時点で効果が落ちている可能性があります。
それでも保管を希望する場合は、新品と同様に衝撃に強い密閉容器で保管するのがベストです。
保管場所は新品の場合と同じですが、物置などで保管する際は、成分の気化を防ぐために定期的に換気を行うことが望ましいです。
以上の点を守れば、着火剤の保管は物置でも問題ないと言えます。
まとめ
着火剤を廃棄する際は、ジェルタイプでも固形タイプでも、住んでいる自治体のルールに従うことが大切です。
まずはお住まいの地域の自治体のウェブサイトをチェックし、不明点があれば直接問い合わせをするのがベストです。適当に捨てるのは避けましょう。
引火を心配する場合は次の方法がおすすめです。
・ジェルタイプ:水で希釈後、新聞紙や布に吸わせて処分
・固形タイプ:水を含ませた新聞紙や布に包んで処分
着火剤が自然発火するリスクは低いものの、未処理の状態では引火する可能性があるため、廃棄する際は燃えにくくすることが重要です。
また、まだ使用可能な着火剤は、日中温度が高くならず火の気がない場所での保管が適切です。物置などでも問題ありません。
着火剤の適切な捨て方や保管方法をお伝えしました。アウトドアを安全に楽しんでくださいね。